「にっこにこ通信」
「にっこにこ」での感染予防への取り組み
当院では早期から院内PCR検査を導入し、お子様をお預かりする前にコロナを疑う症状があれば、基本的にPCR検査を受けていただいております。結果が出るまで1時間ほどかかります(発症からある一定の時間がたっているなど抗原検査でも精度に支障がないと判断した場合は、抗原検査を行う場合があり、その場合は15分程度で結果が出ます)ので、それまでお預かりは保留ということになり保護者の方にもご負担がかかりますが、承諾していただけているおかげで、当院病児保育室ではコロナのクラスターはもとより、保育室を利用した子どもたちがコロナに感染していたということが後に判明したというようなこともなく、第6波も乗り切れそうです。
それでもやはり今後防ぎきれない場合はあるだろうと考え、おもちゃの消毒を徹底し、その共有も控え、部屋を分けるなどお互いの距離も可能な限り保つようにこころがけ、保育室内クラスター発生予防に努めています。そういう関係で、保育中はどうしても一人遊びが増えますが、その一人遊びのときの作品の一例を掲載しますので、ご覧になってください。
- おひなさま
- 年齢に合わせてハサミやノリを使ったり、パーツを変えたりしながら楽しく作りました。とってもかわいらしいおひなさまができましたよ。
- ビー玉ころがし
- ボーネルンド社のクアドリラという玩具で、8種のブロックと5種のレールを使い、とても豊かな発想力で高学年のお子さんが作ってくれました!「どこからビー玉が出てくるのかな?」
保育でコロナがうつってしまう、もしくは他の子にうつしてしまうのではと心配になり、病児保育の利用を躊躇される保護者の方も少なくないとは思いますが、今後も尚一層保育室での感染予防に努めてまいりますので、安心してご利用ください。
絵本「病気に負けないコウタイマンを作ろう!」
「コロナワクチンの接種率を上げて集団免疫をつくりましょう。」ということで予防注射が注目されてますが、注射と聞くと、大人でもちょっぴり緊張して身構えてしまいますよね。子供さんなら、なおさら不安や緊張、恐怖で一杯だと思います。お家の方から前もって予防接種の大切さをお話ししてもらっても、いざ!となるとやっぱり怖いものです。
そんなお子さん達に、わかりやすく予防接種の大切さを伝えられるような絵本を作り、いつでも読んでいただけるように院内に置いておりましたが、コロナ感染対策として本やおもちゃを置くことはやめてから、希望された方や必要と判断した方の目にしか触れる機会がなくなってしまいました。
お子様が、少しでも「頑張ってみようかな」と、前向きな気持ちになってもらえたらと思い、ホームページからご覧いただけるようにしましたので、お子様に読み聞かせていただければと思います。
※なお、この絵本は、予防接種プレパレーションツール[予防接種でコウタイマンをつくろう!:伊藤弘樹,柿沼佐代子,磯部瞳,呉起東,吉川佳孝,岡崎章,2009]を参考に、当院で作成したものです。
RSウイルス
新型コロナウイルス感染対策の手洗い・うがい・マスクのおかげか、今シーズンはインフルエンザの流行はありませんでしたが、最近RSウイルスで登園を利用されるお子さんが一気に増えました。年齢が低いほど重症化しやすいので、発熱等あれば早めに受診してくださいね。
対新型コロナウイルス 防御と攻撃を
ウイルスから身を守るためには、マスク・手洗い・うがいなどの防御力(守る力)が大事なのよく知られていることですが、攻撃力(ウイルスをやっつける力)も大事です。攻撃となるとまずワクチンですが、これは自分ではどうすることもできないので、順番が来るまで待つしかないです。でも、ワクチン以外の攻撃法もヒトは持っています。ワクチンを接種することや感染することによって作られる抗体を、特定のウイルスを破壊するミサイルと考えれば、どんなウイルスや細菌にも立ち向かい食べてしまうゴジラのような細胞をヒトは持っています。
これを、「細胞性免疫」といいますが、この免疫力を高めるような生活を普段から心がけることが大切です。それには、ありふれた答えになりますが、「運動」と「食事」です。「体温が1度下がると免疫力は30%落ちる」、「体温の約40%が筋肉から産生される」と言われていることから、「運動して、筋肉を付け、平熱が高い体質にしていく」ことが大事だと考えられています。平熱が低い人は、免疫力も低くなっている可能性があります。ウイルスなどに感染すれば発熱するのは、「発熱により免疫力を高めている状態なので、解熱剤は使わないほうがいい」と言われた時期もありました(今は、適正使用が良いという考えが主流です)。風邪の引き初めに、まだ発熱していないのに寒気を感じ「ゾクゾク」したことがあると思いますが、あれは体から「体温を上げて!」とサインが出ている状態なので、すぐに暖かい格好をしたり、暖かいものを口に入れたりするべきです。もし、それができない状況であれば、筋肉に力を入れたりして体温を上げるだけでも効果はあるでしょう。それほど、体温の管理は大切です。
次に、「食事」についてです。まず、筋肉量を増やすにはタンパク質、熱を発生させるには糖質が大切です。悪者にされがちな脂質・コレステロールも、免疫力を高めるためには欠かせません。免疫力が高めるには、細胞がどんどん新しい細胞に入れ替わっていく必要がありますが、その細胞の材料として大切だからです。また、免疫力の60~70%は腸にあると言われるほど、腸内環境は免疫には重要です。トマトやリンゴ、お茶などに含まれるポリフェノール類、青魚に多く含まれるEPAなどの脂肪酸も、炎症を抑えることなどで腸における免疫力に関わっていますし、よく知られているように腸内細菌のバランスを整える漬物・味噌・ヨーグルトなどの発酵食品や、納豆、食物繊維、オリゴ糖は、免疫を担当する細胞のバランスを改善すると考えられています。もちろん、各種のビタミン、微量ミネラルも大切なので、野菜・果物・海藻・きのこ・貝類なども必要です。つまり、これさえ摂取しておけば大丈夫というものではなく、偏食せずいろいろなものをバランスよく摂取する食生活が大切ということになります。
結論としては、昔から言われている「こどもは、元気に外で遊び、好き嫌いせずに何でも食べる」ということが、「細胞性免疫」であるゴジラの活性化につながると言えると思います。また、この「細胞性免疫」の現代社会における変容が、「耐ウイルス力」だけでなく、現代病と言われる「花粉症」の増加にも関わっているという考えもあり、アレルギーという観点からもこの「細胞性免疫」を高めるというのは大切かも知れません。
最後に蛇足ですが、口呼吸状態では鼻腔でウイルスを捕捉することができず、ウイルスは直接気道に入り込み、ゴジラがウイルスと戦う鼻腔という場所をひとつ失ってしまいます。そのため、アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎などで鼻が詰まり口呼吸になっている時は、ウイルス感染に弱い状態ですので、放置せずに受診してくださいね。これが「風邪は万病のもと」と言われてきた所以かもしれません。
お部屋の紹介
毎日暑い日が続きますね。水分補給をしっかりと行って猛暑を乗り切りましょう。
今回は「にっこにこ」のお部屋をご紹介しますね
- 手前が一般保育室、向かって左奥が隔離部屋(2部屋)、右奥がおトイレです。お子さんの病状によって隔離部屋と一般保育室に分かれて過ごします。
- 一般保育室にはいつも光が差し込む大きな窓があり、外を走る車やお散歩中のワンちゃんなどに手を振るお子さんもたくさんいます。一般保育室のお子さんも、必要に応じてパーテーションで遊びのスペースを分け、接触を少なくすることもあります。
- 隔離部屋にも窓と空気清浄機があり、こまめに換気をしています。また、感染対策としておもちゃや絵本などをお部屋別に用意しています。
- 隔離部屋のお子さんが、一般保育室にいるお友達とは接触することはありませんが、透明の扉や仕切り越しにおしゃべりをしたり、おもちゃの見せあいっこをしたりしている姿がみられますよ。
- 各お部屋の床には表面がツルツルのホットカーペットが敷いてあり、寒い冬も快適に過ごせますし、クッション性もあるのでハイハイやお座り期のお子さんにも活動しやすくなっています。
- また、おトイレには補助便座とシャワーもあるのでトイレトレーニング中のお子さんも安心して使えますよ。
「にっこにこ通信」始めます
はじめまして。病児保育室「にっこにこ」です。これから日常の様子などをこちらで綴っていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします!初めて利用される時は、お子さんだけでなく、おうちの方も不安でいっぱいかと思います。そんな不安が少しでも和らぐよう、まずは「にっこにこ」での一日の様子をご紹介していきたいと思います。
(8:15~)持ち物の確認などを済ませ、順次診察をして一日の過ごし方を先生とお話していきます。診察が済んだらここでおうちの方はお仕事へ。2階の保育室まで一緒に行けたら…と思われるかもしれませんが、おうちの方以上にお子さんは不安に包まれています。ますます別れがたくなりますし、一足先にいってらっしゃいをして2階にいるお友達もいます。そのため、診察室でのお見送りとしている事をご了承ください。慣れない環境で寂しさいっぱいのお子さんが少しでも安心できるよう、話しかけたり、気持ちに寄り添いながら保育室に向かいます。保育室では成長に合わせたおもちゃや絵本などを準備しています。一緒に座ってゆったりと遊んでいると、徐々にお子さんの緊張もほぐれてきますよ。
(10:00)おやつの時間です。このころには不安そうだったお子さんも笑顔が見られるようになり、おいしそうにおやつを食べてくれます。おやつの後は検温をして自由遊び。お絵描きをしたり、おままごとをしたり、ミニカーで遊んだりと、それぞれの体調に注意しながら保育士やお友達とゆっくり過ごします。
(11:00)昼食の時間です。ゆったりとした雰囲気を心掛け、体調に合わせて無理のないように進めていきます。「どれからたべようかなー?」と楽しそうに食べる姿も見られますよ。お薬も頑張って飲もうね!食べ終わったら検温をし、パジャマに着替えてお昼寝タイムです。お部屋が暗くなると不安で泣いてしまうお子さんもいますが、そばに寄り添い身体やおでこを優しく撫でていると少しずつ夢の中へ…。
(15:00)検温の後、おやつの時間です。おいしそうなおやつを前に自然と笑みがこぼれます。おやつの後は、お迎えの時間まで自由遊び。朝の緊張はすっかり解け、お友達とも仲良く遊ぶ姿が見られます。
(~17:30)順次お迎えの時間です。おたよりを見ながら一日の様子をお伝えしたり、次の日の保育のお話をさせて頂きます。「にっこにこ」でバイバイしてもらえると私達保育士もほっこりします。早く元気になりますように!
病児・病後児保育について
病児保育ってご存知ですか?、子どもが、入院するほどではない病気もしくは病後の回復期で、集団保育が不可能な場合に、その子どもを預かって世話をすることです。
お子さんが急に病気になり預ってもらえず、困った経験はありませんか? 私もその一人でした。そんな時、初めて病児保育というものがあるのを知り、宇治の八木先生に助けていただいてから、10年以上が経ちました。でも、まだまだ病児保育の認知度は低く、数も少ないのが現状です。あの時の恩返しをしたいという思いが、開業当初からありました。というより、その思いが開業への主な動機のひとつでした。
開業して6年目、市からの協力もあって、念願の病児保育で微力ながら社会に恩返しができる機会を得て、2013年の5月から、病児・病後児保育室「にっこにこ」開始することができました。
病気になっったら「にっこにこ」にいけるねって、お子さんに思ってもらえるように、職員一同がんばってまいります。